私の受験歴と直前期の科目捨て
税理士を目指そうと思ったきっかけ
私は2015年まで海外で日系企業をサポートする会計税務コンサルタントをしていました。30歳を過ぎて海外歴も長くなってから、日本に戻りたいと思うようになり地元の福岡に戻ってきました。税理士を目指そうと思ったのは、開業税理士になれば、組織の中で人の決めたことに従うような働き方ではなく、自分で好きなように方針を立てて働くことができ、それなりにいけば、雇われの何倍も稼げると思ったからでした。2016年年初に帰国して、会計事務所でパート勤務で税理士補助として働きながら勉強を開始しました。海外でしたが会計業界に身を置いていたので、この業界で正社員として働くのは、残業時間があまりにも多くなかなか勉強ができないと想像していました。勤務時間の上限のあるパート勤務で多少のお給料を頂きながら実務経験を積むことにしました。正社員勤務で受験開始をしなくて本当に良かったと思います。
私の官報合格までの受験歴
海外の会計税務の仕事を始める前に簿記2級はすぐに合格できていました。税理士試験もそこまで苦労せずパートで働きながら予備校の理想スケジュールのように3年で合格できると思っていましたが、結局合格まで5年かかりました。大誤算だったのは、海外にいたため生の情報が分からず、税理士試験がどれほど大変で合格しにくい試験かということを全く理解しないで、税理士試験の荒波に飛び込んだことでした。
下記私の受験歴と状況です。
受験年 | 受験科目と結果 | 学習その他の状況 |
2016年 | 簿記論不合格B(49~40点)、財務諸表論不合格B(49~40点) | 1月から勉強開始 パート勤務週28時間 |
2017年 | ①簿記論合格、②財務諸表論合格、 ③所得税法不合格C(39~30点) | パート勤務週28時間 直前で①②のみに集中 |
2018年 | 所得税法合格 | パート勤務週28時間 |
2019年 | ①国税徴収法合格、②消費税法不合格37点 | パート勤務週28時間 直前で①のみに集中 |
2020年 | 消費税法合格→官報合格達成 | 正社員勤務週40時間+残業かなり多い |
絶対阻止すべきは複数科目の共倒れを避けること
短期3年での合格はできませんでしたが、予備校の周りの状況から考えても働きながら5年での合格はかなり順調だと思います。5年で収まったのは、短期官報合格を目指そうと複数科目を並行して勉強していたのを、途中になって絶対に無理だと分析して、1つの科目を捨てて残りの科目に集中したことでした。私は2017年と2019年の受験の際に、直前期に入る時点で1科目を完全に捨てました。捨てた科目は散々な結果でしたが、他の科目は合格できました。これが最後まで当初の予定通りすべての科目に全力投球していたらどうでしょうか。おそらくすべての科目で合格できなかったのではないかと思います。50点台の不合格だったとしても不合格は不合格です。また翌年受験しなくてはいけません。翌年以降を楽にしモチベーションを保つためにも複数科目の共倒れは絶対に避けなければなりません。
直前期で複数科目が合格圏内の方はこのまま本試験に進んでよいと思いますが、かなりの方はそうではないと思います。特に税理士受験初年度の方や税法科目受験初年度の方は、当初のうまくいくイメージの通りの方は少ないでしょう。税理士試験の内容がこんなに難しいものだと思っていましたか。税理士試験の受験生のレベルがこんなにも高いことに気づいていましたか。そして合格するには相当なレベルまで仕上げないと無理だということに気づいていましたか。直前期になって、うまくいっていない状況にいる受験生の方はぜひともこのまま複数科目全力投球で進めるべきか検討してみてください。
今回1科目を捨てたとしても、その捨てた科目は翌年の受験に必ず活きます。私は捨てた科目は30点台でしたが、翌年はちゃんと合格できています。これまでしっかり土台はできています。直前期で捨てたとしても、きっと翌年その分は報われます!!