税理士試験の試験委員の思考を考えてみる(更新しました)
今年度から予備校が予想しなくなった
前年までの税理士試験では、二大予備校では試験委員を科目別に予想してホームページや教材等に記載していたのですが、私の知りうる限りだと今年はやっていません。予想が難しくなったことがうかがえます。会計人コースWEBの記事によると、試験体制が強化され試験委員の数が増えていること、実務家でこれまで通常3年の期間なのに4年目の方がいること、租税法専門の大学教授が選ばれていることなどがあります。なぜこうなったのか想像してみます。人数が増えていることや租税法専門の大学教授がいるのは、問題に不備がないか試験問題として適正であるかどうかチェックする機能を強化して、試験を公平なものにするという国税庁の思いではないでしょうか。4年目の実務家の役割はどうなのでしょうか。これまでと同じ科目を担当するのか、別の税法にスライドするのか、またはチェックに回るのかいろいろ想像してしまいますが、詳しくは公表されていないので試験委員の方しか真実は分からないのです。
問題作成の鉄則(内容更新しました)
試験委員の方が問題を作成する場合はどのような問題を出すのか私の想像は下記のとおりです。なおたまに変な出題をする例外的な方がいますが、そういうときは残念ながらしかたありません。予想不能です。
1.基本論点、重要論点
2.改正論点
3.試験委員の専門分野や経験した分野
1と2はその科目を勉強する上で大事なものですので、当然に試験に出やすいと思います。3については必ず出るとは限りませんが、自身の専門や経験分野を出したいと思うのは自然な流れですし、そういった分野はより公平に出題や採点ができるとお考えかもしれません。1や2は予備校でしっかりやってくれます。3については、会計科目が主となりますが去年までは予備校でも多少はしていたと思いますが、今年は試験委員を予想していないのでたぶんやらないのではないかと思います。(どこかでやってたら申し訳ないです。)
3については、予備校等が予想していないので、これまでプロフィールや著書などを調べればどういう専門や経験があるかは分かりましたが、それもできません。官報の掲載内容に会計人コース付け足した個人の属性などの情報で判断すると、試験委員は国税庁や総務省の担当課長や室長、大学の教授などの学者の先生、実務家の税理士や公認会計士の先生です。ここからは完全な私のイメージですが、東大出身者が多いキャリア官僚だろうから論理的な展開と理論の税法はできるだけ正確なほうが評価が高いのではないかというのはベースに置いていました。財務諸表論の学者の場合も論理関係が破綻しないようにだけは十分注意しました。税理士・公認会計士の実務家の方は受験者が税理士としてやっていく上で基本的な理解をしているかなどを大事にしているのではないかと想像します。
出題のポイントは必ず確認する(内容を追加しました)
前段は私の想像でしたが、国税庁の税理士試験の案内ページには過去の試験の出題のポイントが掲載されています。ここは必ず確認しておきましょう。これは国税庁が受験生に公平な見地で開示した受験生の評価の基準が書かれています。国税庁が受験生に示した最大限のヒントです。ぜひここに記載された思考は意識しましょう。たまに各予備校の解説や配点などがこの出題のポイントとずれているなと感じることもあります。本試験後の自己採点で合格確実だったのに不合格になる方と、合格圏内にいなかった方が合格できた方がいるのはこのずれと考えます。ぜひ出題のポイントで重視しているところを意識してください。
お断り
去年までの私の経験を元に記事を書いていたのですが、予備校等で試験委員を予測していないことの意味合いを自分の中で再考し、内容を大幅に変更しました。