自力でできない個人事業主の税理士探しはお早めに
確定申告を自力でするには
令和4年も残り3か月を切りました。個人事業主の方が税理士を通さずに確定申告をする場合には、ご自身で会計ソフトなどで帳簿を作成し、会計ソフトや国税庁の確定申告書作成コーナーを通じて、青色申告決算書又は収支内訳書及び確定申告書の作成と提出をしたり、各税務署の設置する確定申告会場で相談しながら作成して提出するなどの方法があります。参考までに令和3年度の西福岡税務署の設置会場は福岡タワーホール、福岡税務署と博多税務署の設置会場は共同でソラリアステージの西鉄ホールでした。
もし税務署の設置する確定申告会場で申告相談を行う場合には、下記のような準備が必要です。
国税庁「令和3年分確定申告における感染症対策に関するFAQ 1 事前の準備等」参照
自力で確定申告をする場合には、青色申告決算書や収支内訳書の作成をしないといけないので、普段からの帳簿付けもできないといけません。
帳簿付けを自力でするには
私が導入しているfreee会計では、「会計知識がなくてもキチンと 確定申告と経理が出来ます。」と謳っていますが、正直会計知識がない方が作り上げた帳簿は銀行残高が合っていない、現金がものすごい金額になっていたりマイナス残高だったり、固定資産や税金の計上の方法が正しくないなど間違いが多いです。freeeはもちろん素晴らしい会計ソフトなのですが、会計知識がない方が帳簿付けを行うとおかしいことになっていても何がおかしいかに気づけません。逆に簿記を勉強していたり、税理士が指導してfreeeを利用していれば効率的な運用ができているかと思います。
やはり自力で正確な帳簿付けができるようになるには、簿記と会計ソフトの使い方を勉強することがオーソドックスかと思います。普段の帳簿付けの指導については、ソフト会社によっては入力ができるようになるためのプログラムや動画などあります。そのほかに白色申告の場合では税務署での記帳説明会の案内があります。青色申告の場合には商工会議所での記帳指導や青色申告会での記帳指導などがあります。これらの方法は無料や比較的安く指導を受けることができます。ただし指導の場合も回数は決して多くはなく、自身でも補足して勉強していかないといけないため、それができる人には大変コストパフォーマンスがいいですが、それができない方には時間や追加費用が多くかかったりする恐れもありますし、人によっては結局身に着けられない可能性もあります。またこれらのサービスを受けようとする人が多いためいつでも受けられるとは限りません。例えば福岡商工会議所の無料記帳継続相談(原則3回まで×1時間)は申込期間は4月から11月まで、有力記帳指導は4月から12月までと受付期間が決まっており定員に達すると早期終了する可能性が有ります。
自力でできないから税理士を探す時の注意点
結局自力でできないことになった時に、令和4年分のサポートを確定申告時期(令和5年2月16日から3月15日)に探そうと思ってもなかなか依頼を受け付けてもらえません。税理士事務所や会計事務所は一般的に12月から5月の間は繁忙期になります。その間に年末調整、償却資産税申告、12月決算法人の申告、個人の確定申告、3月決算法人の申告などがあります。特に個人の確定申告時期は最も業務が集中する時期です。繁忙期ゆえに余力がありませんので、初めての方の個人の確定申告受付をしてもらえないところが多く、もし受け入れてもらえても直前だと追加料金の上乗せがあることが多いです。よって税理士を探すのはとにかく早くした方が良いです。繁忙期の旅行業と同じで需給バランスの影響を受けやすい業種です。
税理士を探す時期
先ほど税理士は繁忙期にはなかなか受け付けてもらえないと言いましたが、ではいつぐらいに依頼をするのが良いかというと、もし現時点で税理士に依頼したいと思っているなら、今のうちから探し出した方が良いです。今ならまだ受け付けてくれる事務所は見つかります。弊所も現時点では受付可能ですが、私の対応できる数に達したら年内のうちにも個人事業主の記帳と確定申告のご依頼は受付終了になる可能性が有ります。また令和5年から青色申告にしようと思っていたり、消費税の簡易課税制度の適用を受けようと思っていたりする場合など、税務署への申請書や届出書の提出が必要なものの中で、12月31日期限になっているものがいくつかあります。こういった期限のあるものを提出せずに令和5年になってから税理士に相談して、提出漏れに気づいても遅いです。よってこれらの判断を誤らないためにも年内の早めのうちへの税理士への相談と依頼をお勧めします。