税理士試験後の就職活動での事務所選び
税理士試験後の採用について
税理士受験生の方税理士試験お疲れさまでした。税理士試験も終わり、税理士事務所などに就職や転職をしようという方も多くなると思います。多くの税理士受験生が就職活動をするのが、税理士試験後と税理士試験の合格発表後です。前者はどちらかというとポテンシャル採用、後者は前者よりは試験結果が選考に響く恐れがあります。特に税理士登録要件を満たせるかどうかが選考に重視される場合。今からの就職活動はどちらかというとポテンシャル採用です。採用に力を入れる事務所は閑散期である今の時期に採用して育成を行いたい時期です。この時期は求人を出す事務所や就職イベントも多いので、就職活動をするのには適した時期と思います。
私のしていた働きたい事務所を探すときにチェックしたことを3つ書きます。よく言われることもそうでないこともあると思います。あくまでも私の主観でやっていたことです。
①クチコミサイトで確認する
「転職 クチコミ」などで検索すると、各企業で働いていた方や働いている方がクチコミを書いています。Big4税理士法人や大手や中堅税理士法人など従業員数が100人以上いるような事務所はクチコミの数も多く、違う人のクチコミなども見られるのである程度信憑性があります。ただし規模が大きい所でも東京の事務所や地方の事務所では雰囲気がかなり違うことなどもありますので、ご注意ください。クチコミは働いている人数に比例するため東京は多いですが地方は少ないです。一方数人しかいない事務所などはクチコミがないことが多いです。またクチコミがあっても1件や2件などです。事務所に対して痛烈な悪いクチコミがあっても個人に問題があり逆恨みをしているケースや、良いクチコミでも事務所が自分でクチコミを書いている可能性もあります。数が少ない場合には本当にそうなのかをよく注意する必要があります。
またGoogleマップの事務所のクチコミは、顧客からのクチコミなのかと思ってしまいますが、Googleマップを見ていると、採用でひどいことをされたときの悪いクチコミがけっこうあります。これも数が多い方が信憑性が高いです。
②事務所にいつまで電気がついているか確認する
昔からよく言われることですが、遅くまで電気がついているところはその時間まで誰か働いています。業界的には12月から5月が一般的に繁忙期です。年末調整、確定申告、12月決算・2月申告と3月決算・5月申告が多いなどの理由です。一方6月から11月までは閑散期です。時期に応じて、気になる事務所の電気の付き具合を確認しておくと普段から忙しいのか、繁忙期のみ忙しいのか分かります。今の時期は閑散期で通常はあまり遅くならないですが、お盆などの夏休み前に終わらせないといけない仕事などで帰りが遅くなっていることもあるかもしれません。やはり長期的な観察が一番労働実態を把握できます。
③事務所や代表税理士などのブログやTwitterなどの配信情報を確認する
まずどのような内容を発信しているか確認してください。経営や従業員に対する姿勢やそこでの働き方などが多少なりとも感知できます。中には公式に配信しているものなのに、顧客批判や従業員批判を公然としてしまっている方もいます。私だったら公然とこのようなことをしてしまう事務所は経営センスや人としてどうかと思うので絶対に受けません。配信内容を見て惹かれるものがあれば、そのセンスは大切にした方がいいと思いますし、面接などでも活かすと良いと思います。採用側からすると配信しているものをしっかりチェックしている方は好感が持てます。
またブログの記事を書く人が従業員の持ち回り制だったり、従業員についての描写や写真が出てくる場合には、その事務所の流動性を示すヒントになるかもしれません。私が働いていた事務所は、ブログの記事が持ち回り制で、持ち回りで記事を書いているスタッフが何年も続けて書いているので人があまり辞めない事務所だと思い応募し、そこで働くようになってからもその判断は間違っていなかったと思いました。当然ながら従業員の入れ替わりが激しいところは、顧客からも不満が多く、まともに教育を受けられないなど多数の問題を抱えていることが多いので、働きやすい環境ではないと想像します。
自分を偽るのは後で後悔しかねない
面接の際に礼儀良く、真摯に対応するのは大事ですが、採用されたいからと言って自分の性格やスキルを採用基準に無理に合わせるのはやめた方がいいと個人的には思います。面接は短い時間なので、ごまかしが通ってしまうこともあるかもしれないですが、求める人物像と実際は違う自分が採用されてしまうと後で大変苦労します。また性格診断テストなどは嘘でマーキングしていくと、回答に虚偽があることはばれるそうですので、信用のためにもやめた方がいい気がします。先日採用や労務のコンサルタントの方に聞いた話ですが、採用要件に合っていないトレーニーが採用基準にあっているトレーナーからOJTを受けると、お互いのレベルや性格が異なるためになかなか意思疎通や理解が通じずにお互いにストレスになり生産性をかなり落とすようです。また事務所によっては合わない人間に対してきつく当たる人もけっこういますので、入ってから精神的にきつくなるかもしれないです。特に性格診断についてはありのままに回答して採用される状況であれば、自分の合う事務所に採用されるのが良いと思います。