税理士試験後の就職活動での事務所選び②
税理士情報検索サイトを活用する
8月5日に「税理士試験後の就職活動での事務所選び」というタイトルの記事を書いたのですが、もう1つ事務所の情報を確認するのにいい方法があったので共有します。
それは「税理士情報検索サイト」の活用です。
このサイトでは税理士登録をされている税理士の情報が検索できます。税理士となる資格を有する者でも税理士登録をしていない方(日本税理士会連合会の名簿に登録していない方)は検索対象ではありません。また登録後2-3週間くらいしてからこのサイトに掲載されるようなので、登録後すぐの場合は検索結果が表示されない可能性があります。
検索の仕方はいろいろあると思いますが、一例をあげます。
トップページから「税理士を探す」のバナーをクリック→
事務所名に該当法人名や該当個人事務所名を入力して検索します。(全角文字で入力)
※個人事務所の場合は税理士登録では氏名を含んだ名称ですが、普段使用している事務所名が氏名を含んだ名称でなかったりすることがあるので、事務所名で検索が出ない場合は、名前で個人の税理士氏名を検索してください。
このサイトで検索して出てくる税理士の詳細をクリックすると、下記のような検索結果が出てきます。画像は私のものです。
※私は2021年度登録で現時点で研修情報が更新されていません。お断りしておきますが、決して研修を受けていないわけではありません。
検索結果で分かること
事務所への就職を前提に考えると下記のようなことが検索結果から分かります。
①事務所に登録されている税理士の数が分かります。
就職を考えている事務所には多くの従業員がいるのに登録税理士が少ない場合には、チェック機能が働いているのか、指導体制は行き届いているのかなどが気になってきます。登録資格はあるけれど代表税理士以外は登録していないケースなどもあるので、登録人数が少ないだけではこれらの体制が悪くない可能性も十分あると思います。登録された税理士が多いのであれば、体制としてはまぁ安心な気がしますが、その分従業員への給与配分がどうなのかという別の気がかりもあるかもしれません。
②登録年月日からその税理士が登録した時期が分かるので、代表税理士などが税理士登録をしてキャリアが長い方か、短い方かなどが分かります。
③懲戒処分の欄では税理士業務の停止等の懲戒処分の状況を確認できます。ここに記載されることはそうそうないので、記載があったらかなり要注意です。
試しに国税庁の「税理士・税理士法人に対する懲戒処分等」に掲載のある方を何人か検索してみたところ、業務停止の方(一定期間の税理士業務の停止)は懲戒処分の欄に記載がありました。業務禁止の方は基本的に税理士登録を抹消されるので、検索結果すら出てこなかったです。検索結果に出てくる人もいらっしゃったので、同一人物であればまた税理士となる資格を有することができた人なのかもしれません。
④研修受講義務の履行状況についても分かります。通年で登録している税理士の方の受講義務時間は36時間です。受講実績時間がその時間以上であれば、義務を果たしています。検索してみると義務時間に達成できていない方も多いです。特に0時間がけっこういます。業務が忙しくて研修をおろそかにしていたり、義務はあるけれど特に懲罰があるわけではないので研修を軽んじていたりする姿勢が分かりますね。他の税理士批判をするといろいろあるので、各自がこの結果をどうとらえるかお考え下さい。