平田光徳税理士事務所

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資本金は法人口座開設後すぐに入金したほうがいい

法人と社長個人は別人格です

前回の記事では法人の銀行口座のお話をしました。取引に影響が出ないためにも法人の銀行口座を早く作りたいところですが、法人口座ができたら設立時に個人口座に振り込んでいる資本金をすぐに移すようにしたほうが良いです。

法人設立の流れでは、資本金の払込をする時点ではまだ会社は設立されていないので、会社の銀行口座は存在しません。資本金の振込は発起人個人の銀行口座となります。その他一定の手続きを経て法人が設立されます。

司法書士さんのブログなどには、会社の設立後に、法人の銀行口座を作って、そこに資本金と同額のお金を入金する必要がないと書かれているものもあります。法人口座に資本金を必ず動かさないといけないわけではないのでしょうが、個人口座に残ったままにすると後で問題になることが出てきます。資本金は法人の事業を行う為のお金であって、社長個人の手許現金ではありません。たとえ社長自身が一人株主の法人であっても法人と社長個人は別人格ですので、同じ財布でとらえることはできないのです。個人口座から法人口座に入金しないと、会社のお金なのに個人で使い込んでしまうなどのリスクが出てきます。使い込んでしまったお金は会社のお金なので会社に返済しないといけません。

法人に振り込まれていない資本金の処理状況

では法人口座に資本金を入金しなかった場合はどのような処理になっているかというと、だいたい下記のように処理されています。

現金 3,000,000円 / 資本金 3,000,000円 (例 資本金が300万円の場合)

例えばfreeeの「freee会計の初期設定の流れ(新設法人の場合)」には会社設立時に払い込んだ資本金が、出資を行った役員個人の預金口座にある場合は、「現金」または「役員貸付金」として入力しますというように案内があります。(2022年9月11日参照時点)

現金で処理したままのリスク

前段のように現金として入力していたとしますが、この現金はあとで法人口座に入金される前提であると思います。しかし初年度の期末まで現金のまま処理されているケースはよく見かけます。当然ながら帳簿に現金として記載があれば、その残高は現金として存在しないといけません。業種にもよりますが例えば零細企業で前段のように300万円の現金が手許にあることは通常考えられません。税務調査の際には現金実査が行われるので、実際帳簿残高の現金がない場合は問題になります。現金残高が一致していないと税務調査では様々な疑いがかけられてしまいます。もし資本金を個人的に使い込んでしまったら、役員貸付金と判断される可能性が出てきます。

役員貸付金になると

会社は利益を求めるために存在するので、会社が役員にお金を貸したら、原則として利息を取らないといけません。

国税庁サイト「No.2606 金銭を貸し付けたとき」には下記のように説明されています。

役員または使用人に金銭を貸し付けた場合、その利息相当額は、次に掲げる利率によります。

(1) 会社が他から借り入れて貸し付けた場合:その借入金の利率

(2) その他の場合:貸付けを行った日の属する年に応じた次に掲げる利率

よって役員貸付金が未清算であれば、会社は利息を上げなければならず、その利益に法人税がかかってきます。

また長期にわたって清算されないとと、貸付金ではなく役員賞与認定もされかねません。こうなると役員賞与は会社の経費にはならず、源泉所得税も払い、社長も賞与をもらったとして所得税を払うことになります。

さらに役員貸付金の残高があると金融機関からの評価も下がり融資が受けられなくなる可能性が高まります。

法人のお金を個人の財布のお金と思ってしまわないように、法人口座ができたら資本金はすぐに個人口座から法人口座に入金することをお勧めします。入金までに会社の経費で使っていれば、その差額入金でも良いです。会社のお金と社長個人のお金は設立当初からしっかり区別することが大事です。

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