税理士試験の科目選択には試験の時間割も考慮する
税理士試験の科目選択の際には試験の時間割を事前に知っておこう
税理士試験終了から1週間が経ちました。来年の受験に向けて受験予備校で学ぶ方は、科目選択を考える頃かと思います。科目選びについては、昨年8月27日に「合格しやすい母集団で選ぶ税法科目選択」という記事を書きましたので、そちらをご参考頂ければと思いますが、この記事で書かなかったことでぜひ気にかけて頂きたいのが、試験の時間割です。今年の税理士試験の時間割は下記の通りとなっていました。
当日最初の受験の場合は、宿泊が必要になる方も多いかと思います。またここで特に気にかけて頂きたいのが、同じ日に続けて受験がある場合の次の試験までの間の時間です。簿記論と財務諸表論の間だけ1時間30分ですが、その他の間の時間は1時間です。試験後は答案回収があり、試験前は15分前の着席が求められているので、合計すると試験の合間の時間の30分くらいは試験会場にいることになるので、残りの時間ではトイレに行って少しホッとするくらいの時間しかなく、ゆっくり食事をするような時間もありません。ちなみに私は連続受験の時は試験中にトイレに行きたくなることを考えて、合間には食事はしないほうが良いと思っています。
連続受験はハードです
私は連続受験は簿記論と財務諸表論の同時受験しかありませんが、時間が足りない中でかなりの集中を要する簿記論で精神的にも肉体的にも疲れ切った後に財務諸表論をやったのはかなり疲れました。1時間30分と他の科目より時間が長いので、まだましかもしれません。簿記論と財務諸表論は同時受験をする方がとても多いですし、同時学習の相乗効果が高いので、この2つの科目の同時受験はお勧めしますが、それ以外の連続受験は他の受験生と比べてコンディションは悪くなる可能性が高くなる気がします。会計科目と異なり税法科目はその1科目に集中される受験生の比率は高いです。例えば、1日目に簿記論、財務諸表論、消費税法と3科目の受験をしたとします。そうすると消費税法の前に2科目連続受験で疲弊しきっている中で、あまり合間の時間もなく消費税法の受験をしなければなりません。消費税法で同じように同日に他の科目を受験する受験者の比率はあまり高くないと思いますので、消費税法のみを受ける方より良いコンディションにもっていくのは難しい気がします。よって私は会計科目以外は出来る限りは同日連続受験を勧めませんが、もし連続受験をする場合には、当日どうしたらコンディションよく受験できるか十分に検討した方がいいと思います。
時間割は変わる可能性がある
今年の時間割は去年から変更されています。国税徴収法と固定資産税の時間が入れ替わりました。なおInternet Archeiveで国税庁の税理士試験のページで確認できた2018年分からの時間割は去年の2021年までと同じでした。なぜ変わったか、私は国税徴収法の受験申込者の数が3日目で一番多いからだと思っています。実際には当年の申込者の数を時間割を発表する前には分からないので、前年までの受験申込者数を参考にしていると思います。下記に今年の科目別の受験申込者数の表を載せますが、受験者の多い科目が先の日、先の時間になる傾向を感じます。おそらく会場確保や当日の試験会場での運営面を考えてではないかと思っています。
今年の第72回の科目ごとの受験申込者数
8月2日 | 簿記論 | 17,400人 |
8月2日 | 財務諸表論 | 14,406人 |
8月2日 | 消費税法又は酒税法 | 消8,923人、酒796人 |
8月3日 | 法人税法 | 4,700人 |
8月3日 | 相続税法 | 3,252人 |
8月3日 | 所得税法 | 1,839人 |
8月4日 | 国税徴収法 | 2,729人 |
8月4日 | 固定資産税 | 1,360人 |
8月4日 | 住民税又は事業税 | 住702人、事396人 |
出典:国税庁の令和4年度(第72回)税理士試験受験申込者数(PDF/75KB)より
ただ先ほど述べた受験申込者の数が多いほど、日程が前になる傾向にそぐわない箇所が1か所あります。国税徴収法と所得税法を入れ替えた方が人数的には会場確保や運営しやすい気がしますので、ひょっとしたらいつか所得税法と国税徴収法の時間が入れ替わるかもと疑っております。その他の科目は今のところは時間割が変更になる可能性は低い気がします。これらはあくまでも私が勝手に思っていることです。ただ言えることは今年の試験では時間割が変わったという事実があるということです。