開業1年の振り返り
開業税理士になって良かったこと
令和3年8月26日の税理士登録とともに独立開業したのですが、既に1年が経過しました。開業税理士になって特に良かったことが2つあります。
1つ目はすべて自分の選択でやりたいようにできることです。人から縛られることが嫌いな性格なので、これまで組織で働いていて納得のいかないことや従いたくないことは正直それなりにあったのですが、すべて自分で決められるので、そういった縛りから解放されました。特に契約する顧客を自分の意志で決められることは大変ありがたいです。どこかの事務所に所属していると、モラルの上で対応したくない、対応への要求や反応が理不尽な顧客がある場合もあり、働くことにかなりのストレスになると思うのですが、契約する顧客はすべて自分が契約したいと思える方なので、このようなストレスも起こりません。
ちなみにこのホームページの問い合わせフォームには画像のような文言を入れています。この文言を入れることで問い合わせがひょっとしたら半減くらいしているかもしれませんが、この文言を見て私に依頼するのをやめようと思う方は、私とはミスマッチなので、それはそれで良い効果だと思います。
2つ目は自分自身がサービス提供の主体として契約や継続をしてもらえる評価を頂けることです。税理士業界自体はどこかの事務所に所属していても、対応している顧客から評価をしていただけることはもちろんあるのですが、やはり所属であるがゆえにトップの税理士の方や事務所の看板があるから契約が続いているということもあるとは思います。一人開業税理士で仕事をしていると、それらを含めて私自身のすべてが他のものと比較対象になるわけで、その中で私自身を選んでもらったり、「対応にすごく満足しています。」などと評価してもらえたりするとものすごい充実感があります。
集客面
私は開業の際に以前の事務所から引き継ぎ顧客のない、いわゆる0開業スタートでした。集客面で特に気を付けたことも2つあります。ちなみに私は広告宣伝費はこの自作のホームページのサーバー関連費用くらいしかかけていません。
1つ目は開業場所を競合が少ない場所を選びました。私の開業している福岡市城南区は市の中心である中央区の隣の区です。人口13万人余りと市内で一番小さい区で、福岡大学などの学校や住宅が多く、事業者の数は多くはないのですが、税理士の方が50名くらいです。開業当時に確認できたホームページを持っている事務所は1桁で、しかもそれほど更新はしていないようでした。近隣で開業されている先輩税理士の方の話なども参考にして、ここなら供給をする税理士が少ないので、集客が見込めると判断しました。
2つ目はブログの更新です。ホームページ集客を大きな柱にしているので、検索で上位にくる必要があります。ブログを更新すると検索エンジンから評価してもらえるので、できる限り週に1回は更新できるように気を付けました。なお私は開業前の数か月間、税理士試験の勉強法のブログをやって検索エンジンの評価を多少稼いでおいて、そのブログを税理士事務所のブログに変更しました。常に毎週1回の更新ができていたわけではないですが、毎週1回は更新しないと、検索エンジンからの評価は下がっているなと体感しております。
「城南区 税理士」のGoogle検索で私の事務所が上位に来るか定期的に確認しているのですが、下記の推移で経過しました。前述の通り城南区の他の税理士事務所はブログ更新してホームページ集客をしようというところがほぼないので、比較的早く検索の上位に行けました。
令和3年8月26日開業時 圏外 →10月末ごろ 30位付近 →11月末ごろ 10位内 →12月下旬 3位付近 →令和4年6月中頃 1位 で現状キープしています。
またブログを書くことで、税理士を探している方が、こういうブログを書いている方はしっかり業務も見てくれそうと契約をする上でお話しいただけたこともあります。マッチングの上でも良い効果があると思います。
他にもfreeeのアドバイザーになったことによる集客も大きいです。その点については過去の記事に書いていますので、そちらを参考にしていただければと思います。
開業の1年で税理士を必要としている34件の引き合いがあり、面談25件(遠方や対応できない業務、無返答は面談していません)を実施して、その中でスポットも含めて契約締結は19件です。引き合いの内訳はホームページ経由での問い合わせが11件、freeeからの代理問い合わせ(ユーザーがfreeeに税理士紹介を依頼)6件、freeeユーザーからの直接問い合わせ5件、税理士の先生からの紹介6件、旧知の方及びその紹介5件、Twiiter1件でした。ホームページは検索1位になるころから顕著に問い合わせが増えました。
収入面
Twitterには若手でも年収2,000万円など稼いでいるキラキラしている同業の方などいてうらやましい限りですが、私は今のところは開業数年の辛い税理士の部類です。2021年、2022年の見込額は黒字ですが、売上から経費を差し引いた金額と勤務時代の給与収入を比べるとまだ勤務時代より少ないです。現状一時的に業務が立て込むことはありますが、まだまだ余力があるので今のペースで売上が増えれば2023年以降には勤務時代の収入を超えて、開業税理士になって良かったなと個人的に思えるくらいの収入に変わっていけばいいなと思っています。私自身大量に業務をさばけるほど器用ではないのでこのくらいのペースでちょうど良いと思っています。
この記事を読む開業間もない同業の方は、私自身の現在の年収に興味がある人が多い気がしますが、正確な金額は秘密です。現時点の定期顧客が法人8、個人事業主8です。料金表の下から1つ目と2つ目の価格帯の顧客がほとんどですので、計算してみればある程度実際に近い金額になると思います。計算好きな同業者の方で知りたい方は計算してみてください。現状は自慢できる金額ではないので、幅を持たせてください。
人脈面
ひとり税理士は何かと一人で判断しないといけないので、何かと誰かに相談したいことがあります。私は開業準備をしていたころから、そういったことを相談できる人脈作りに力を入れておりました。税理士会の集まり、freeeのアドバイザー、Twitterの同業の方などで、浅いつながりではなく個別にやりとりのできる強い絆の方を多く見つけられましたので、この方々には大変助けられております。
おまけ
この1年顧客が増えるのと同じくらいのスピードで観葉植物が増えてきましたので、開業当初のミーティングスペースと比較してみます。観葉植物を大事にしていると、顧客対応も大事にすると思われるのかけっこう高評価です。
開業時
現在 写り映えを良くするため、定位置から動かしているものもあります。